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事例紹介

出版ERPシステム

さ・え・ら書房《文化通信BBB 2020/9/7掲載》

株式会社さ・え・ら書房

創 立 1948年8月15日
資本金 1000万円
代表者 佐藤洋司
所在地 〒162-0842 東京都新宿区市谷砂土原町3-1
電 話 03-3268-4261

児童書出版のさ・え・ら書房は今年1月に光和コンピューターの販売管理システムを導入し、受注情報を入力すれば自動的に伝票が作成されるなど作業の効率化を実現した。

学校図書館などが主な販路

同社は1948年に白水社出身の浦城光郷氏が創業した。現在、従業員6人の児童書出版社だ。社名はフランス語で「ここかしこ」を意味する「ca et la」から命名。これまでに焼く1000点以上を刊行してきた。

年間の新刊点数は15点程度。「やさしい科学 算数パズルの本」、「目で見るシリーズ」、「さ・え・ら図書館/国語」など学習系のシリーズや翻訳読み物が多く、販路としては学校図書館、公共図書館が中心。販売は学校図書館巡回販売グループ「NCLの会に所属している。

ジャンルは算数、国語、生物など教科に合わせた内容が多いが、2018年に『知っていますか? SDGs』を刊行して以来、このところ「SDGs(持続可能な開発目標)」をテーマにしたシリーズを数多く刊行している。

2019年に刊行した『ポリぶくろ、1まい、すてた』が今年の課題図書に選ばれたのをはじめ、「エジカル消費」「知ってる? アップサイクル」シリーズや『目で見るSDGs時代の環境問題』などは多くの図書館が購入している。

翻訳読み物も社会問題を扱う内容が多く、2019年にハンセン病をテーマにした『この海を超えれば、わたしは』、今年はジェンダー問題を扱った『囚(とら)われのアマル』、そして本をテーマにした8人の著者によるアンソロジー『きみが、この本、読んだなら』などを刊行している。

自作システムからの切り替え

システムは長年、データベースソフトで作成した自作システムを利用してきたが、メンテナンスの頻度が多くなったことや、より簡単に販売データなどを共有したかったことなどから「社員全員がわかって使えるようにしたかった」(営業部・濱本光志氏)と2017年に新システム導入の検討を開始。

数社から提案を受けたが、①業界でのシェアがトップ②カバーできる業務の範囲が広い③拡張オプションが多数ある_といった理由で光和コンピューターを選択。2019年8月に導入するシステムを決定し、テストを経て今月1月に本稼動した。

作業効率アップとミスの削減を実現

これまでのシステムでは受注入力と伝票作成を別のソフトで行っていたが、新システムでは⑩中耳に入力すれば自動的に伝票が作成できる。

同夜では東京都新宿区の本社に倉庫・出荷場が併設され、取次への出庫や返品受品はここで行っている。営業部でFAX、電話、メールなどによる注文を販売管理システムに入力すると、ピッキングリストと納品伝票が作成され、ピッキングの結果と伝票を照合して出荷する。

以前は注文書を片手にピッキングして伝票作成のために入力していたのに比べると、作業の流れはスムーズになった。

また、直納品の伝票切り替えも、仮伝登録しておけば番号を入力するだけで本伝票を出力できるようになった。これら重複しての入力が減ったことで「全体的にミスもかなり減りました」(濱本氏)という。

コロナ禍でも出荷量は順調

新型コロナウイルスの感染が拡大した今春は、同社でも社員の在宅勤務を増やして出社を減らすといった対応を余儀なくされたが、今年度は教科書で紹介される同社出版物が多く、出荷量はまずまずだった。

特に2012年に刊行した既刊『風をつかまえたウイリアム』が、小学校の教科書で紹介されたことで大きく売れ行きを伸ばしているという。

「子供たちが直面する社会問題など、かなり細かくいろいろな方向にテーマが向いているのが当社の本の特徴です」と濱本氏。こうした出版活動を支えるため、システムをさらに活用していく考えだ。